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ある飲食店さんで使っていただいている椅子を直しています
それはもう、普通ではありえないような壊れ方をしたりしていて大変です
しかし、ここまで使ってもらえるのはある意味嬉しくもあります
アンティーク、特にアンティーク家具に対する考え方は人に寄っていろいろあると思いますが、自分にとって古い家具は過去の遺物ではなく現在も一緒に生き続けている大切なパートナーのような存在です。
自分の何倍も生きている存在に対してパートナーというのは不遜でしょうか。まあ、おじいさんでも先達でも良いですが、大事なのは今現在を生きているということ。
美術館などに大事に陳列されるようになったらアンティークとしては終わりということです。
もちろん古い家具ですから、ものによっては気遣いが必要です。
椅子だったら日々、そばにおいて乾拭きしてやり、時々そっと座ってみる、そんな感じでも椅子は生きていると思います。
先にあげた飲食店で使うというのは正直ちょっと極端すぎますね。
でも、ちゃんと直せて使い続けられるのがすごいです。
ここに書いた考え方は自分の個人的な考えですが、しかしイギリスなどではクラシックカーでも日常的に使えるように修復して乗り回しているケースが多いように、なんでも動態保存が普通ですね。
ですから、自分の考え方もそんなに特殊ではないのかなと思います。
当店では仕事の一番大事な基盤を修復と考えています
これはもちろん見栄え良く飾るためではなく、お客様がストレスなくアンティーク家具との生活を楽しめるようにとの思いからです。
とはいえ手元を離れた家具をお客様がどういう風に扱われようが、それは自由です。それに対して物を申す事はありません。
時々、自分がなぜこの仕事をしているかということを思い出させられることがあるのです。
最近もそんなことがあったので文章にしてみました。
乱筆乱文失礼いたしました