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ボタンバックのキッチンチェア

背もたれの丸い玉の飾りが特徴的な椅子です
ボタンというかボールというか、呼び方はともかくデザイン上のアクセントになっている事は間違いないですね。

以前何度か仕入れたイギリス東部地方の椅子にこのようなデザインのものがありましたが、脚の造りやストレッチャーの形状からして、どうもその地方のものとは違う気がします。ボタン飾りと、その下のスクロールバックチェアなどに良く見られる形状のバーが両方ついているのも珍しい気がします。

以前ご紹介したカントリーチェア同様、使い込まれたがっしりした雰囲気はこれぞ地方の椅子と言う感じです。しかもただ無骨なだけではない、ディテールがしっかり作り込まれていて熟練の職人の技が感じとれます。

けっして吟味された木材を使っている訳ではないようで、場所によっては木が暴れて裂け目があったりします。おそらく切り倒したばかりの木をざっと製材して組上げたのでしょう。多少修復はいたしましたが、それでもこうして100年以上たっても普通に使えるというのもすごいです。おそらく普通の家庭で日常的に長く大切に愛用されてきたのでしょう。

普通の家具のすごさのようなものを感じます。

ところで、どこの地方の椅子かという事ですが、これはランカシャー地方で見つけたものだったなあと思い出して、いろいろ資料の図版をひっぱりだして眺めていましたら似たようなものが、やはりランカシャー地方の資料の中にありました。そっくり同じものは見つからないのですが、全体的な造りの特徴がかなり似ています。ニュアンス的に感じる全体のバランスから受ける印象なのですが、おそらく間違いないでしょう。この地方、イングランド北西部は比較的地元の椅子が出やすい印象もあります。

ウィンザーチェアのような有名なデザインではなくても、イギリスの地方にはまだまだバリエーションにとんだ個性的な椅子がたくさんあって、それが僕が地方の椅子に引かれる理由でもあります。

Button back kitchen chair
おそらくイングランド北西部
アッシュ材 フルーツウッドなど

高さ89cm 幅38cm 奥行41cm 座面高43cm

ZH38