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しゅっとしたシンプルな脚が魅力的な椅子
背もたれの線も繊細で軽やかです
しかし、ただ細いだけではなく力強さも同時に併せ持っています
ストレッチャーでがっちり組まれた下部構造は台形の座面とともに、安定感を感じます。
また接合部は十分な太さが確保されているんですね
背もたれが座面とつながる所で緩やかに太くなっています
ここの処理は、この椅子のようにテーパーになっている場合もあれば、段付きにしてうまくデザイン上のアクセントにしている場合もありますが、いずれにしてもデザインの為に強度を犠牲にするような事は、特にこの時代はめったにないようです。
この時代と書きましたが、おそらく19世紀の初期から中期頃の製作だろうと思います。正確な年代特定は避けるとしても、後期ジョージアン時代の特徴を受け継いでいる家具だと思います。この頃の家具は力強さと美しさを兼ね備えたものが多くて、個人的には一番好きです。
これが1900年ごろからのエドワーディアン時代になると、これで実用になるのかと思うようなデザイン優先の細い椅子が多くなります。今よりは良い質のマホガニー材などが使えたようで、思ったよりも折れてしまったりというトラブルは少ないのですが、やはり組みの接合部が細すぎて緩んでしまうというトラブルが多いです。ストレッチャーを二重にしたりという工夫はされているのですが。
Flat seat chair
マホガニー、オーク(座面)材
1840年頃 イーストアングリア地方
高さ87cm 幅48cm 奥行47cm
座面高43.5cm
ZH11