wood box

大きさからしてキャンドルなどをしまっていた箱でしょう
薄板を組み合わせてしっかり作られています
まるで日本の指物のようにしっかり寸法が出ています
こう言っては何ですがイギリスなどの古い物は精度という点では日本製に及ばないというイメージがあるのですが、この箱は違います。

特に蓋の板は厚さ８ミリほどと薄いオーク材なのに反りが殆ど認められません。
裏側に補強もないし、ちょっと不思議に思っていたのですが、お客さんと雑談しながら詳細に眺めていて理由に気がつきました。

厚さ４ミリ、幅２６ミリほどの板が蓋の両端を彫り込んで埋め込んであります
もちろん、事前に十分に乾燥させて材料を使っていないと、これだけでは狂いを止める事は出来ないでしょうが、ちょっと見には分からない凝った造りです。ダブテールの組み木部分も、はっきりそれと分かる手作りですが、しっかり狂いを押さえ込んでいます。

普通の方にはこんな造りの部分まではどうでも良い事かもしれませんが、遠目に眺めても非常にクリーンで美しい箱と感じるのは、こうした丁寧な仕事の結果だと感じます

蓋を開けて内側を見ると、真っ平らに削られた表と裏腹に、荒々しい木割りの跡や、虫喰いの跡が残っているところが面白いです。鋸などによる製材でなく割木であるのも狂いが出にくい理由のひとつかもしれませんね。どちらにしろ非常に手間のかかった物です。

15 1/4インチ x 6 1/2インチ　高さ 3 1/2インチ
(約387mm x 約166mm 高さ約88mm)