スワロウデイル・アンティークス

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ホローシートの椅子

座面を一枚の薄板で張ってあり、その中央がくぼんでいる事から英語でhollow seatと呼ばれるようです。ウィンザーチェアなどは厚い座面の板をお尻にあわせて削り込んでありますが、この板そのものを曲げて張るというやり方も、なかなか座り心地が良いものです。
全体がエルムというニレ属の木材だけで作られています。
このタイプの椅子は以前に詳しくご紹介しています。ご興味のある方はこちらもご覧ください。

修復済みです。
全てパーツに分解しジョイントの組み合わせをチェック。
強度を確かめ、一カ所弱っているジョイントは外から見えにくいように作り直しました。
虫喰いの穴は全てエアを吹き込んでチェックし、念のために殺菌済、ニカワを注入して塞いであります。
ホゾの工作精度は高く、再組立する事で十分使用に耐える強度になりました。
仕上げは特製リバイバーでクリーニングするのみで、最後にビーズワックスで磨き上げました。
古い家具だけが持つ渋い艶と、エルム材ならではのパティーナ(木味)を楽しめる仕上げになったと思います。

こういう家具を直している時は楽しいですね。
特に最後の仕上げとワックス掛けはなかなか大変な仕事なのですが、時間をかけるほどに汚れに隠れていた本来の表情が現れてきて、いつもわくわくします。

Hollow Seat Chair
エルム材 1830年頃
イーストアングリア地方

高さ85cm 幅45cm 奥行47cm
座面高43cm(低いところ)