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クリケットテーブルの語源に興味があり調べていました
クリケットテーブルはこんな3本脚のテーブルのことですね
このテーブルの名前はクリケットゲームと関連づけられて説明されることが多いです
クリケットゲームで使われる3本の杭(スタンプと呼ばれるようです)が由来とされたり、ゲーム中に飲食するのに使われるテーブルが3本脚の方が平らでない屋外に向くせいだと言われたりしてるようです。
本当にそうなのでしょうか?
アンティークにまつわる知識には通説から来るものが多く不確かなものもありますので、確かめたい気持ちがありました。
そんな折、暖炉の前で使われることが多い背の低いスツールの事を調べていて、やはり3本脚のスツールの事をクリケット(Cricket)と呼ぶ事を知りました。
調べてみると、この3本脚のスツールとの類似性から、3本脚のテーブルもクリケット・テーブルと呼ぶようになったとする説も、やはりあるようでした。クリケットゲーム由来とする説とどちらが正しいかは、どうもはっきりしないようです。
ところで、背の低いスツールをなぜクリケットと呼ぶようになったのでしょうか?
非常に多用途に使われるスツールにはいろんな形があります
例えば下の写真のようなものもよく見かけます
実はこれの事をクラケット(Cracket) と呼ぶのです
クリケットとクラケットは似ていますよね。どちらも同じ意味で使われるそうですが語源は不明です。
このタイプの原型は、その昔イギリスの北東部(Northumberland地方)の鉱夫達が、狭い坑内で横たわって作業する際に頭や体を支える用途で使ったり、休憩で腰掛たりしたとのことです。誰にでも簡単に作れて持ち運びも楽な形ですね。
のちに広く家庭内で使われるようになり、低いスツールの総称として定着したのでしょう
3本足や4本脚のものも低いスツールは、クリケット、あるいはクラケットと呼ばれるようです。
同様の形態のスツールは、使われる作業によって、ミルキング・スツール(乳搾りスツール)などいろんな呼称があります
結局、語源ははっきりしませんでしたが、いろいろなことがわかって面白かったです