スワロウデイル・アンティークス

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a miscellany

ウィンザーチェアとペイント

2021年2月13日

ちなみに、下が全体を写した写真です
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クリケット・クラケット?

2020年3月22日

クリケットテーブルの語源に興味があり調べていました
クリケットテーブルはこんな3本脚のテーブルのことですね

このテーブルの名前はクリケットゲームと関連づけられて説明されることが多いです
クリケットゲームで使われる3本の杭(スタンプと呼ばれるようです)が由来とされたり、ゲーム中に飲食するのに使われるテーブルが3本脚の方が平らでない屋外に向くせいだと言われたりしてるようです。

本当にそうなのでしょうか?
アンティークにまつわる知識には通説から来るものが多く不確かなものもありますので、確かめたい気持ちがありました。

そんな折、暖炉の前で使われることが多い背の低いスツールの事を調べていて、やはり3本脚のスツールの事をクリケット(Cricket)と呼ぶ事を知りました。

こんな奴ですね

調べてみると、この3本脚のスツールとの類似性から、3本脚のテーブルもクリケット・テーブルと呼ぶようになったとする説も、やはりあるようでした。クリケットゲーム由来とする説とどちらが正しいかは、どうもはっきりしないようです。

ところで、背の低いスツールをなぜクリケットと呼ぶようになったのでしょうか?
非常に多用途に使われるスツールにはいろんな形があります
例えば下の写真のようなものもよく見かけます

実はこれの事をクラケット(Cracket) と呼ぶのです
クリケットとクラケットは似ていますよね。どちらも同じ意味で使われるそうですが語源は不明です。

このタイプの原型は、その昔イギリスの北東部(Northumberland地方)の鉱夫達が、狭い坑内で横たわって作業する際に頭や体を支える用途で使ったり、休憩で腰掛たりしたとのことです。誰にでも簡単に作れて持ち運びも楽な形ですね。
のちに広く家庭内で使われるようになり、低いスツールの総称として定着したのでしょう
3本足や4本脚のものも低いスツールは、クリケット、あるいはクラケットと呼ばれるようです。

同様の形態のスツールは、使われる作業によって、ミルキング・スツール(乳搾りスツール)などいろんな呼称があります

結局、語源ははっきりしませんでしたが、いろいろなことがわかって面白かったです

カントリーチェアの人気

2019年12月27日

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写真は主に若年層向けの小さな教養文庫的なシリーズのうち、家具の歴史に関するものです。これほどまでに、わかりやすく系統立てて説明されている本は見たことがありません。たった51ページなのですが、アンティーク家具の背景を説明するには必要にして十分、とても参考になります。 最初の扉を飾るイラストはご存知カントリーチェア。やはり家具の歴史における重要さを表してますね。 カントリーチェアはうちのお店にとっても大事なアイテムですが、近年その人気は現地イギリスでもこれまで以上に上昇しています。今まで、あまり知られて来なかった僕の友人の専門ディーラーの所にも世界中のディーラーやブローカーから問い合わせが頻繁に入るようになっています。個人的な繋がりを重視して仕入れをしている自分には複雑なところです。日本向けのブローカーもいます。物を右から左へ動かして、利益を上げる事だけが目的のブローカー的な業者が出てくると、そんな状況に嫌気がさしてしまう人も出てきます。現に僕の知り合いにも、そういう人がいて、表立った活動をやめてしまいました。限られた知り合いとは取引を続けているので、彼との繋がりは切れていないのが救いですが、こういう人もいます。今後が不安ですが、今までと同じように自分が良いと思った物を人真似でなく扱っていくしかないなぁと再確認しました。趣味や気の合うディーラーとの付き合いを大事に、お金はなくともゆったり生きたいものですね。仕事が続けて行ければの話ですが、、、

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アンティーク・ディーラーの責任

2019年8月25日

うちのお店では、他で購入されたアンティーク家具でも直しを引き受けることがありますので、随分色々なものを目にします。

中には、これは酷いなあと思う修理が施されたものも結構あります

そういうものは正当な修復云々というレベルの話ではなく、もっと低レベルな修理です

例えば、強度を考えたら絶対にしないような直しとか、家具の機能がスポイルされているとか、いわゆるやっつけ仕事的なものですね

ある時はお客さんがよく怪我をしなかったなと思ったこともあります

こんな話をすると、人によっては私のお店がこだわりが強すぎるから、他が駄目に見えるんだという人もいますが、そんな話では全くないです

それはお客さんに安心して安全に使っていただけるものを提供するという基本に関わる話です

アンティーク家具の修復は、その家具や素材、製造法や歴史を踏まえて作業をするのが本来で、確かにそこに自分はこだわりを持っていますが、問題にしているのはそれ以前のレベルのことです

問題はこうした悪質な業者をどうしたら無くしていけるのかということですが、なかなか難しいですね

例えば本場イギリスにはBADAとかLAPADAという、アンティークディーラーの協会があります

お客さんは個別の業者に対するクレームをこうした協会に行うことができます

協会は受けたクレームを元に調査し、場合によってはイベントやオークションへの出店禁止処分をし、その事実を公表することができます

しかし、日本でこういった協会を作るのは難しいでしょう

理由はそもそもイギリスと日本では、アンティークディーラーの社会的責任に対する自覚に差がありすぎるからです

お客様へちゃんとしたサービスを提供する責任、社会的責任、歴史あるものを扱うことへの責任。

それはプライドと言い換えてもいいかもしれません。

そういうプライドを持った仲間が増えていくことを願いますが、ユーザーであるお客さんも、見た目に誤魔化されず、本物を見抜く厳しい目で見てほしいなと思います

お店もお客さんによって育てられるものですから