スワロウデイル・アンティークス

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臨時休業のお知らせ

2017年9月30日

今回の旅は、初めて行く地方や、初めてお会いする予定の業者さんも多く、とても楽しみです。
現地の様子はInstagramでお伝えできると思います
よろしくお願いいたします

朝の冒険

2016年10月2日

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ご存知の方も多いでしょうが、パブリック・フットパス(public footpath)というものが英国にはあります。私有地、公有地の別なく誰でも歩くことを楽しめる、通行権が公共に認められたいわゆる散歩道のようなものです。これが全土に張り巡らされており、長い距離を歩く本格的なトレッキング的なものから、ちょっとした散歩に適した公園のような短いものまで様々あります。

フットパスであれば私有地であっても自由に通れるのが面白いですが、そこを歩くのは危機管理を含めて自己責任とされますし、牧場や私有地を通過する際に開けた柵は必ず元に戻すなどのマナーは当然です。家畜が逃げ出さないように人だけが通れるような踏み段が柵に施されていることも多く、地方によってその仕掛けが変わっていたりするのも楽しいのです。こういう仕掛けをスタイル(stile)と言います。

田舎のB&Bなどに泊まった時は、朝早く起きだしてこういったフットパスを散歩するのも楽しいものです

ある日の朝、やはりいつものようにカメラ片手に散歩に出ました。こんもりとした木漏れ日の小道を進むと、牧場の柵に突き当たりました。そこには先ほどのスタイル(stile)が設置されていて、注意書きがありました。こういう注意書きは必ず読む必要があります。「散歩の人は牛を刺激しないよう犬をリードから離さないように」というような事が書かれているだけでしたので、安心してそのまま進みました。

 

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しばらく歩くと牛の群れが見えてきましたが、何か様子が変です。かなり警戒されているようです。

しばらく見ていましたが、進むのを諦めて引き返すことにしました。

引き返しつつ遠くの景色の写真などを撮っていた時のこと、遠くにいた牛が何頭も足音を立てて駆け寄ってきてしまいました。その様子に危険を感じたので、刺激しないように知らんふりをしながらゆっくりと歩き続け、その場を離れました。先ほど通ったスタイルを越えた時、正直ホッとしました。それまで心臓がドキドキしていました。

後で聞いた話ですが、つい最近女性が牛に踏み殺されるという事故があったとのことでゾッとしました。写真を見ると子牛が写っていますので母牛に警戒されたのでしょうか。
牧場育ちの友人の奥さんも、放牧の牛は今でも怖いと言っていました
普段は牛はとてもおとなしいのですが、たまにそういう事があるとのこと、理由はよくわからないとも

まあ、もちろんこういう事を含めて自己責任です、朝のちょっとした冒険になってしまいました

その後は引き返して別のフットパスに行きました

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こちらは動物はいなくて、農場沿いの草藪のようなところでした
その時撮ったのが上の写真です
朝露に足を濡らしながら暫く歩きまわり、朝の清々しい空気をたっぷり吸い込んで心を鎮め、その後朝食を食べに宿に引き返しました

しかし、朝の散歩にはウェリントンブーツが必需品ですね
今回はデッキシューズを履いていたので、あまり気にしなかったのですが、丸一日乾かなくて閉口しました

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その時泊まっていたB&B
話好きの親切なオーナーでした

イギリスの修復師

2016年9月25日

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写真はうちの師匠の家具修復工房です

彼の工房はイギリス中部グロスター州にあるのですが、以前はアンティークのお店も多かったところです。

現在はお店の数も減ってしまい、アンティークタウンという感じではなくなりました。

しかし、面白いことに彼の仕事場の近くには修復師の工房が増えているそうです。

そのうち3人ほどには実際に会いましたが、みんな仲良くて、仕事をめぐって競合して困るようなことはないそうです。

これは考えてみれば当たり前で、同じような仕事をしていても、それぞれ得意不得意があったりしますし、時には協力しあった方が自分も得なのです。

日本で仕事をしている自分の場合も全く同じです。同業者同士で仕事を頼んだり頼まれたりしていますし、仕事のやり方を相談したりもします。面白いことに相談しているうちに自分で最適な解決法を見つけられることも多いです。

イギリスで彼らの会話を聞いていても、おんなじだなーと思いました。現在やっている仕事の話などお互いにしていますね。

近くに知り合いの工房があるので、例えば金属部品の加工を知り合いに頼んだら、数時間後には作って持ってきてくれたなんて光景も目にしました。便利ですね。

彼の工房にいると、そんな感じで人の出入りが結構あって、合間に一緒にお茶を飲んだりしますし、却って仕事にメリハリがついて良いなと感じます。時には邪魔されたくない時もあるでしょうが、一日中一人でこもりきりでいるよりは精神的にも良いのではないでしょうか。

うちの場合は工房だけでなくお店でもあるので、その点お客さんとお話しできて良いです。たまに僕の工房の仕事を邪魔して申し訳ないと言われるお客様がいらっしゃるのですが、そんなことはありませんので、どうぞゆっくりしていってください。ただ、本当に手が離せない時はしばらくお待ちいただくこともありますのでご容赦ください。

 

時には師匠と一緒にお客さんの家に配達に行ったりするのですが、そんな風に海外で個人のお宅にお邪魔することはなかなかありませんので喜んでついていきます。

裕福な方も多いですし、お住いの家自体が何百年も経った古い家だったり、素晴らしいロケーションだったりします。師匠とお客さんの関係も親しい友人同士みたいな感じで、よっぽど以前からの知り合いかと思うと必ずしもそんなわけではなく、それが普通のようです。僕も会話の仲間入りしたりと自然に過ごせます。イギリス人はそういう人との距離の取り方が上手いように感じます。過剰にフレンドリーなわけではなく節度があって、ちょっと日本人の距離感と似ていますが、もっと近い感じでしょうか。人にもよりますけどね。

 

たまに、師匠の工房にいると、その昔一緒に働いていた頃から何十年も経っているのに、ずっとそこで一緒に過ごしてきたような錯覚に陥ります。不思議なことに彼も同じことを感じるらしく同じことをよく口にします。

そこにいると、まるでそこを離れていた間の時間はなかったかのように、時間がそのまま継続しているかのように感じてしまいます。ここにいるのが当たり前という感覚。あたかも日本とイギリスで二つの時間をパラレルに同時に過ごしているような錯覚です。一回の滞在はほんの僅かなのですが、おかしいですね。

 

 

買い付け旅行のご報告的なこと

2016年9月22日

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商品買い付けに出かけたイギリスから帰国して約一週間経ちました

案の定というか、旅行中はこちらのブログは書けずじまいでした

旅行前は写真をいっぱい撮ろうと意気込んでいたのでしたが、その余裕もなく、逆に今でより撮れなかったぐらい

買い付けペース的には順調で余裕があったのですが、何かと忙しかったり、体調を崩したりと、なんかいつもよりイベントが多かったような気がします

体調を崩したと言っても、出かける前から若干痛めていた腰を、やたらと重い家具を上げ下げしているうちにぎっくり腰になりかけたという程度なんですが。それもなかなか大変で、なんとか無様なことにならずに済んだのは、友人で師匠のマイク一家のおかげでした。

彼らの家に滞在中に発症したのですが、すぐにホットバッグというもので腰を温めてくれたりして、痛みはあるものの、すぐに支障なく歩けるようになりました。翌日は買い付けを休み(バンの運転と乗り降りが案外キツイ)、マイクの工房をお手伝いしたりしてゆったり過ごさせてもらったおかげで、また次の日から仕事を続けられました。

旅先に信頼できる友人がいるというのは本当に安心ですね。

 

 

自分の話はともかく本来の目的のアンティーク買い付けの話をしなくてはいけませんね

今回一番感じたのは、仕事を辞めてしまう業者さんが多かったことです

割とよく行っていたお店やウェアハウスでも5軒が無くなっていました

そのこと自体はショックなのですが、新しく出来たアンティークセンターもあり、新たな良い出会いもたくさんありました。

イギリスは社会保障がしっかりしているせいか、ある程度の年齢になるとあっさり引退して趣味に生きるという人が多いというのも一因だと思うのですが、やはりイギリスでもアンティーク自体が以前ほど一般的な人気がなくなっているということもあるようです。

じゃ、品物もなくなっているのかというと、それはむしろ逆かもしれません

今でも営業しているところでは、以前よりも品物のクォリティーが上がっていますし、しかも安くなっています。

理由はなんとなくわかりますが、もしかしたら、こういう現象は一時的なものなのかもしれません。何れにしても今は買い時というのは間違いありません。

 

 

もうひとつ気づいた現象は、センスで勝負する、どちらかというと若い人のお店や業者が増えてきたことです

こういうところは、時代や素材に対するこだわりはそれほどなく、自分の感覚で品物を選んでいる感じです。

扱っている品物はかっこよくて、僕も欲しくなるものが沢山あるのですが値段がとても高いのです

主に僕ら業者が仕入れるのはトレード歓迎という、いわゆる業者間取引に力を入れているところで、価格もリーズナブルにしてくれます

しかし、セレクトショップ的な感覚のそういうお店では値段がとても合わないので買えません

こういう傾向は以前から、特にインダストリアル系のショップに見られたのですが、ピリオド家具を含めた古いものを扱うところでも増えてきています。

良いものをじっくり大切に売っていこうという姿勢はよく理解できますし、参考になります。

今のように物が売れない時代には、もう薄利多売というビジネスモデルは成り立ちませんから。

かといって、うちのようなお店では価格もそうそう上げられず困っているというのが正直なところですね

現地報告のつもりが愚痴になりかけてきたので、この話はこの辺で終わりにしましょう

 

 

で、肝心の戦果はどうだったの?といえば、結果的に良いものが仕入れられたと思っています。

今回、仕入先の業者さんのところで2回ほど「あなたはロンドンの業者さんですか?」と声をかけられました。

もちろん僕がイギリス人に見えたという意味ではありませんが(イギリスに住んでいるのはイギリス人ばかりではありません)、ロンドンの業者さんも仕入れに来るような場所ということがわかり、地方の仕入先を開拓し続けてきたことが間違っていなかったんだなと、ちょっと安堵しました。

もっとも、そんな風に声をかけてきた人は馴染みのオーナーが不在でお留守番の人だったりするので、どうだかわかりませんが。

それはともかく、前述のような品物が集まりやすい傾向も相まって、今後も楽しみになりました

問題はうちのお店がこれからも続けていけるかどうかなんですが、、、

みなさん買ってくださいね(笑)

 

コンテナの到着は11月ごろになりそうですが、写真はご覧いただけます