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商品買い付けに出かけたイギリスから帰国して約一週間経ちました
案の定というか、旅行中はこちらのブログは書けずじまいでした
旅行前は写真をいっぱい撮ろうと意気込んでいたのでしたが、その余裕もなく、逆に今でより撮れなかったぐらい
買い付けペース的には順調で余裕があったのですが、何かと忙しかったり、体調を崩したりと、なんかいつもよりイベントが多かったような気がします
体調を崩したと言っても、出かける前から若干痛めていた腰を、やたらと重い家具を上げ下げしているうちにぎっくり腰になりかけたという程度なんですが。それもなかなか大変で、なんとか無様なことにならずに済んだのは、友人で師匠のマイク一家のおかげでした。
彼らの家に滞在中に発症したのですが、すぐにホットバッグというもので腰を温めてくれたりして、痛みはあるものの、すぐに支障なく歩けるようになりました。翌日は買い付けを休み(バンの運転と乗り降りが案外キツイ)、マイクの工房をお手伝いしたりしてゆったり過ごさせてもらったおかげで、また次の日から仕事を続けられました。
旅先に信頼できる友人がいるというのは本当に安心ですね。
自分の話はともかく本来の目的のアンティーク買い付けの話をしなくてはいけませんね
今回一番感じたのは、仕事を辞めてしまう業者さんが多かったことです
割とよく行っていたお店やウェアハウスでも5軒が無くなっていました
そのこと自体はショックなのですが、新しく出来たアンティークセンターもあり、新たな良い出会いもたくさんありました。
イギリスは社会保障がしっかりしているせいか、ある程度の年齢になるとあっさり引退して趣味に生きるという人が多いというのも一因だと思うのですが、やはりイギリスでもアンティーク自体が以前ほど一般的な人気がなくなっているということもあるようです。
じゃ、品物もなくなっているのかというと、それはむしろ逆かもしれません
今でも営業しているところでは、以前よりも品物のクォリティーが上がっていますし、しかも安くなっています。
理由はなんとなくわかりますが、もしかしたら、こういう現象は一時的なものなのかもしれません。何れにしても今は買い時というのは間違いありません。
もうひとつ気づいた現象は、センスで勝負する、どちらかというと若い人のお店や業者が増えてきたことです
こういうところは、時代や素材に対するこだわりはそれほどなく、自分の感覚で品物を選んでいる感じです。
扱っている品物はかっこよくて、僕も欲しくなるものが沢山あるのですが値段がとても高いのです
主に僕ら業者が仕入れるのはトレード歓迎という、いわゆる業者間取引に力を入れているところで、価格もリーズナブルにしてくれます
しかし、セレクトショップ的な感覚のそういうお店では値段がとても合わないので買えません
こういう傾向は以前から、特にインダストリアル系のショップに見られたのですが、ピリオド家具を含めた古いものを扱うところでも増えてきています。
良いものをじっくり大切に売っていこうという姿勢はよく理解できますし、参考になります。
今のように物が売れない時代には、もう薄利多売というビジネスモデルは成り立ちませんから。
かといって、うちのようなお店では価格もそうそう上げられず困っているというのが正直なところですね
現地報告のつもりが愚痴になりかけてきたので、この話はこの辺で終わりにしましょう
で、肝心の戦果はどうだったの?といえば、結果的に良いものが仕入れられたと思っています。
今回、仕入先の業者さんのところで2回ほど「あなたはロンドンの業者さんですか?」と声をかけられました。
もちろん僕がイギリス人に見えたという意味ではありませんが(イギリスに住んでいるのはイギリス人ばかりではありません)、ロンドンの業者さんも仕入れに来るような場所ということがわかり、地方の仕入先を開拓し続けてきたことが間違っていなかったんだなと、ちょっと安堵しました。
もっとも、そんな風に声をかけてきた人は馴染みのオーナーが不在でお留守番の人だったりするので、どうだかわかりませんが。
それはともかく、前述のような品物が集まりやすい傾向も相まって、今後も楽しみになりました
問題はうちのお店がこれからも続けていけるかどうかなんですが、、、
みなさん買ってくださいね(笑)
コンテナの到着は11月ごろになりそうですが、写真はご覧いただけます