アンティーク家具、古道具全般、家具修復のスペシャリスト。お問い合わせはお気軽に
写真をクリックすると拡大します
ずらりと並んだ背もたれのスティックが美しいウィンザーチェアです
座面のElm材以外は、高級なYew材が使われています
Yew独特の光沢と淡紅色がきれいです
これらの光沢と色合いは塗装によって得られるものではありません
良材と年月によるパティーナによるものです
Yew材の美しさを感じる部分です
左アーム付け根に古い金具による修理の跡があります
Yew材の特徴としてところどころ隙間が開いた部分がありますが、強度には問題ありません
座った感じはガチガチに硬いのではなく、若干ルーズに感じる柔らかさがあります
これも古い椅子にあることですが、現状で使っていただく方がオリジナルの状態を楽しめると思います
ぜひ実際に座ってお試しください
不具合が生じた場合には修復も可能です
ウィンザーチェア
テームズバレーエリア
1800年代初頭
W57 x D60 x H95 cm
座面の高さ 38cm (若干低いです)
SOLD お問い合わせ商品番号 J1-16
在庫の未修復の椅子を手入れしました
元の素朴な印象を大事にやり過ぎないようにクリーニングとピーズワックスに留めました
背もたれの下の横バーが斜めなのが面白いですよね
左の差し込み穴がずれたのでしょうか
背もたれのデザインからスピンドルバック・チェアとも呼ばれるタイプです
クリセットファミリーはイギリス中西部の有名な工房で、ここのデザインが地域の他の工房にも影響を与えました
そのため、このような椅子はクリセットタイプと呼ばれます
本家、クリセットファミリーの工房のものはスタンプマークがあるのが普通で、こちらはそれがありません
座面の構造が独特なのも、このエリアの特徴です
お問合せ商品番号 C1-26
この投稿をInstagramで見る
ロッキング ターナーチェア
1800年ごろ イギリス中西部 ヘレフォード近辺 ウェールズボーダー
(写真をクリックで拡大します)
写真に見えますように、左後ろの脚の下部のところに、鉄プレートによる古い修復跡がございます
実用上は問題ありません
サイズはW48 x D65 x H93 cmです
イギリス19世紀のビクトリアン時代のものと思われます
SOLD
因みに僕はこのウエストカントリーと呼ばれるイギリス南西部の家具とウェールズの家具が好きなのですが、この両地域の古い椅子にはかなり似たものがあります。両地域はブリストル海峡を挟んでいるだけなので、それほど不思議はないと以前から思っていたのですが、今読んでいるウェールズの家具の研究書に、はっきり両地域の関係性について記述がありました。ウェールズやブリストルあたりの聖職者や有力者は両地域に屋敷を持つことが多かったそうです。また、ウェールズは辺境のイメージがありますが、海岸線も長く貿易港も豊富にあり、一度海に出てブリストル海峡を上り、セバーン川に入り、イギリス中西部の内陸まで広く生産された家具が届けられていたようです。
ウェールズはイギリスの家具産業において重要な地域だった事がわかります。